無期限の重さ
先日、日本サッカー協会の審判委員会で、家本政明審判に対する処分が決定した。
これは1日に行われた、ゼロックス・スーパーカップでの鹿島アントラーズvsサンフレッチェ広島戦におけるレフェリング(家本氏は、主審を務めた)に対しての物で、無期限でJ1・J2の審判割り当てから外すというのが、その内容だ。
レフェリングには、ジャッジ(判定)とコントロール(試合自体のスムースな進行)という2つの面があると思う。
問題となった試合は、11枚のイエローカードと、一発退場を含む3人の退場者を出すと言う、いわゆる「荒れた試合」となった・・・というか、荒れ過ぎだ。(苦笑)
実際に微妙な判定が多かった事もあり、ニュースでは不可解判定と報じられたりしていたけれど、審判委員会の結論としては、ジャッジに関しては(概ね)問題無く、荒れた試合にしてしまった・・・ゲームコントロールが出来なかった事に対する処分という事のようだ。
(個人的には、これはおかしな話だと思う・・・ジャッジが安定する事こそが、コントロールに一番必要な要素なはずだからだ)
本人には悪いけれど、家本審判のレフェリングは、以前より問題が多い。
感情的になり、カードを乱発する事が(しばしば)ある為、選手・ファンからも良いイメージは持たれていないと思う。
実際「一番冷静であるべきレフェリーが感情的だった」と、試合後にアントラーズ・小笠原選手が語っている。
(まぁ・・・Jリーグの審判で良いイメージを持たれている人は、ほとんどいないのも事実なんだけれど・・・)
そして・・・報道などで知られてもいると思うけれど、家本審判のこういった処分は2度目(06年に、異例とも言える「1ヶ月間の研修」を命じられている)だ。
処分が解けたのは、07年になってから・・・1年ちょっとで「再発」した事になる。
しかも彼は、日本サッカー協会が認定するスペシャルレフェリーだ。
スペシャルレフェリーとは、「十分な審判経験があり、高い技術を継続的に発揮できる者で、審判活動によって主たる収入を得る審判員」で、要するにプロのレフェリーと言う事になる。
2002年から始まったこの制度だけれど、認定を受けているのは、わずかに9人(正確には1人引退しているので、10人)しかいない、という狭き門だ。
家本審判のスペシャルレフェリー認定は2005年・・・つまり、3年余りで2回の処分を受けている事になる。
結果が問われるのがプロの世界という事からすれば、とてもプロの仕事とは思えない。
選ばれたからには、責任もあるだろうに・・・猛省して欲しい。
それにしても、日本サッカー協会は、何を考えているのだろう?
ゼロックス・スーパーカップは、日本サッカー(クラブチーム)最高峰の試合・・・しかも、リーグ直前の大事な試合でもあったはずなのに、何故こんな人選をしたのだろう?
(更正の意味でもあったのだろうか・・・? 結果的に、完全な失敗だった訳だけれど・・・)
処分に関しても、「無期限でJ1・J2の審判割り当てから外す」つまり、海外の試合はOKだという事になっている。
現に、国際審判員でもある家元審判は、3月11日には、バーレーンで行われるAFC杯をレフェリングするそうだし、その後もAFCエリートレフェリー(?)として、アジアの国際試合には派遣される予定なのだそうだ。
「技術は高い評価を得ている。海外であれば十分にコントロールできる」とは、松崎審判委員長の言葉なんだけれど、国内で活動出来ないような人物を海外に出す事は、出された側に失礼になるのではないだろうか?
何よりも、この件に関して、家元審判本人の声が全く聞こえてこないまま、処分が決定している。
現在聞こえてくるのは、鹿島アントラーズ側からの話ばかりだ。
例え問題のある審判だったとしても、日本サッカーにおけるトップレフェリーの一人な訳だから、問題に対する説明を行う義務はあると思う。
そうした場を与えないまま、処分だけ結果として伝える姿勢には、同意しかねる。
(もちろん、スペシャルレフェリーに認定している訳だから、その責任もあるはずだ)
日本のサッカーは、Jリーグが出来てから急速に成長したと思う。
ただ、選手の成長と比較して、審判はと言えば・・・やはりそうでは無いように思える。
急速な成長・・・それ故の歪みもアチコチ出てきているのかも知れない。
色々考える、良い機会になればなと思うし・・・選手と審判の信頼回復の為にも。
それこそが、日本サッカーの発展に繋がるはずだ。
追記:日本サッカー協会のトップレフェリーインストラクターである上川徹さん(元:スペシャルレフェリー&国際主審)のゲームコントロール論に関する話が、今回の問題に関して的を射ていて、とても面白かった。 →コチラ
ただ・・・その掲載されていたHPというのが・・・この試合の特別協賛である富士ゼロックスの物だったというのが、なんとも皮肉な話なのだけれど。(苦笑)
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