I SHALL RETURN!!
大相撲初場所は、横綱・朝青龍の復活優勝で幕を閉じた。
元々、左肘の故障の為に3場所連続休場をして、それが完治しないままでの強行出場だったし、場所前の稽古総見でも、明らかな調整不足・・・引退勧告も囁かれていた。
ただ、僕は「ひょっとしたら、優勝もあるかも」と思っていた。
彼を見ていると、「(相撲という競技において)強さ=正義、その頂点が横綱」との思いを、強く感じる。
そして、彼の考える強さとは、勝つ事・・・今場所でも、様々な言動で物議を醸していたけれど、「要は、勝てば・優勝すれば良いんでしょ?」という気持ちが、いつも透けて見える。
でも、この思いを(良いか悪いかは別として)持ち続ける為には、当たり前だけれど、勝ち続けなければならない。
見る人にとっては不遜に思える態度は、「横綱らしさ・品格」との問題と相まって、多くの反発を生んでいる事も確かだ。
引退勧告云々に関してもそうだけれど、最近のマスコミ等の扱いも、酷い物だった。
今までは、そう言った声を「勝つ」事で、ねじ伏せてきていたのだけれど、力が弱くなれば抑えきれなくなる。
実際に今場所を通して見ていたけれど、残念ながら往年の強さは失われていた・・・確かに体調面からすれば、先に書いた通りで、むしろ当たり前(注1)だ。
けれど、言い訳には出来ない。
卑怯な言い方になるけれど、それも彼が選んだ道・・・勝ち続ける事の宿命だからだ。
そんな(恐らく最大の)逆境の中、彼は心で戦っていた。
いや、闘っていた。
負けろという空気になればなるほど、燃える性格だから・・・そんな生易しい物では無い。
勝つ事は、彼のアイデンティティその物であり、負けたら終わりという覚悟や怖さの中での、生き残る為の闘争。
良い意味に取れば「勝負に徹している」とも言えるけれど、執念と言っても良い程の強い思いが、彼を支えているように見えた。
そして・・・それを示す最高の機会で、勝利した事になる。
(恐らく、勝てなければどうなるか、それを知っての事だったのだとも思う)
「数々の試練を乗り越えての優勝。やっぱり横綱は強くなくっちゃ。」
千秋楽の表彰式で、麻生太郎首相が言った言葉だ。
横綱は強ければ良い訳で無いと僕は思うけれど、朝青龍に向けての言葉としては、実に的を射ていると思う。
自分が思う強さを求める・・・突き抜けた思いを、今回の優勝で見せつけられた思いがした。
ならば、これ以上、外野がとやかく何かを言う権利は無い。
あらゆる責任は、全て本人にある(=自業自得)だけの話だからだ。
そして、その事を一番理解しているのは彼自身・・・ゴチャゴチャ言うなと思っている事だろう。(笑)
賛成は出来ないけれど、この優勝の価値が下がる訳ではない。
ここまでワガママに貫いてきたのだから、行ける所まで頑張って欲しいと思う。
追記:最近、彼の事を「ヒール」と表現するマスコミが増えている。
ヒールは元々、悪役プロレスラーを意味し、多くの客を呼ぶ為に「正義vs悪」という観客に分かりやすい図式を与える意味から生まれている。
もちろん相撲はプロレスでは無いし、横綱を悪役と同一視するのは、マスコミとしては不見識だと思うけれど、興行的な意味でチケットの売り上げやテレビの視聴率が大きく伸びた今場所は、朝青龍というヒールが非常に貢献したという事になるのだろう。
悪役は必要無いはずのマスコミ(や相撲界)が、実は一番必要としている・・・これ以上の皮肉は無いだろうと思う。
注1:友人のミツは朝青龍好きなので、「ちゃんと完治するまで休めば良いのに」と言っていた・・・確かにその通りだと僕も思うけれど、恐らく本人は、そういう意見がある程、反発したくなる性格なのだろうとも思う。(苦笑)









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