第2回WBCは、日本代表が決勝(vs韓国)で、今大会初の延長戦を5-3で制し、2連覇を達成した。
日本が一歩ずつリードしながらも、9回裏に追いつかれると言う、非常に苦しい試合展開で、展開的に言えば、負けてもおかしく無かったと思う。
僕は、他の国も含めて半分以上の試合を見たけれど、間違いなく一番の試合・・・両国の意地がぶつかりあう、球史に残ると言っても良い試合だったと思う。
それは、韓国代表チームの強さがあっての事だ・・・まずは、素晴らしい試合をありがとう(注1)と言いたい。
以前書いたブログの中では(原監督の采配面を中心に書いていたので)触れていなかったのだけれど、第1ラウンドを見ていて一番気になっていたのは、イチロー選手の事だった。
別にヒットを打てないとか、そう言う事では無い。(注2)
(TV(地上波)の扱いと言えば、イチロー選手が打った・打たないの繰り返しで、それには辟易したけれど 苦笑)
前回大会の時は、普段クールなイメージの彼が、他の選手をグイグイ引っ張っている様子が見て取れ、驚いたくらいだったし、好ましく思ってもいた。
今回も、メンバー的に言っても最高の選手である事は間違い無い・・・けれど、前回大会と違って、彼を中心にまとまっている感じが、余りして来なかったからだ。
確かにイチロー選手がヒットを打てば、チームが凄く盛り上がる・・・でもそれは、彼が中心選手だからこその話だ。
侍ジャパンを一つにまとめる選手が見あたらない・・・イチロー選手で無いとすると、誰なんだろうと、ずっと思いながら見ていた。
けれど、第2ラウンド→決勝ラウンドと見て来て分かってきた。
このチームには、リーダーがいないと言う事に。
準決勝で、ようやくスタメン(9番・サード)で出場・活躍した川崎選手は、こう言った。
「緊張した。緊迫した試合だったので必死にやった。東京ラウンドからベンチでも試合には出ていたので、(ようやく初スタメンという)意識はしていない。(活躍出来たのは)チームのみんなが励まして、声をかけてくれたお陰だと思う。」
前回大会で中心選手として活躍していながら、今大会では(調子が良いにも関わらず)サブメンバーの扱いを受けていた・・・ベンチにカメラが向けられた時、いつも他の選手を鼓舞し続けていた彼の姿があった。
(そして決勝戦では、スタメンを片岡選手に譲っている)
彼だけでは無い・・・選ばれた選手それぞれが自分の出来る事を、与えられた場所で精一杯務めていた。
原監督(注3)は「チームが1日1日、団結し進化した」と、決勝戦後に語っていたけれど、チームとしてのベクトルが、試合を重ねる毎に一つに向かって行ったと思う。
リーダーがいなくてもまとまるから、その必要が無い・・・その意識の高さ。
僕が想像するより、ずっと大人のチームだった。
(補足:その後、イチロー選手がコメントで、同様の事を話していた)
そして、チームが勝負に徹してまとまった時、真の強さを発揮する・・・それが第2ラウンドでの(2回戦った)キューバ戦であり、準決勝のアメリカ戦であり、この決勝戦だったのでは無いか、と思う。
そんな大会で、最後まで勝ちきった日本代表の強さは、日本野球の素晴らしさを同時に伝えていた(注4)と思う。
(結果的に見て、トータルの防御率が1.70!!というキッチリとした守りの野球を見せてくれた)
ただ、今大会でも不満点はある。
特に対戦相手の組み合わせ・・・同じチームと決勝まで5回も闘う(vs韓国)のは、どう考えても異常だと思う。
前回大会の反省を踏まえ、今回の予選形式になったと思うのだけれど・・・ますます悪くなっている印象だ。(苦笑)
(敗者復活を含む、変則的なトーナメント方式を採用した為・・・第2ラウンドでの日本は、キューバ→韓国→キューバ→韓国という対戦を行っている)
もう少し、盛り上がる対戦組み合わせを考えても・・・第1ラウンドの1位と2位で、同じグループに入るのを避けるとか、第1ラウンドを勝ち上がったチームで組み合わせ抽選をするとか、敗者復活のトーナメントはチームをシャッフルするとか、工夫は出来ると思う。
4年後の大会に向けて、しっかりと準備して欲しい。
盛り上がる対戦と書いたけれど、実際に肝心の開催国であるアメリカの盛り上がりは、今一つらしい・・・何故こんな大会に熱心になっているのか?と、疑問に思っているとも伝えられる。
(松坂選手のコメントにも「現地ではなかなか盛り上がりを実感出来なかった」とあったくらいだから、本当なのだろう)
何で熱心なのか?
その答えは簡単だ・・・素晴らしいスポーツだからに決まっている。
イチロー選手は、「日本のファンの人たちに、笑顔が届けられた事、最高です」と言っていたけれど、本当にその通りだ・・・選手の(こう言う形の)笑顔は、真剣に勝利を目指していなければ、見る事は出来ない。
素晴らしいと信じている物に熱心になって、何が悪いのか?
逆に聞いてみたい気分だ。
(何マジになっちゃってんの?って言われているようで、腹も立つし 苦笑)
そしてきっと・・・メジャーリーグで活躍している松坂投手やイチロー選手は、野球の面白さ・素晴らしさを、ベースボールの国に教えたい意味もあったんじゃないかなと思う。
笑顔が届けられた・・・優勝を喜ぶ(応援していた)人達の笑顔を見るにつけ、「まだ野球人気も捨てた物じゃ無いな」と思う一方で、僕自身、本当に野球が好きで良かったと思う。
選手・スタッフ・そして日本代表チームを応援していた全ての人達、本当におめでとう。
注1:ただ、マナーは相変わらず良くなかった。
「マウンドへの旗立て」もそうだけれど、相手チームの攻撃だろうがおかまいなく行われる「大韓民国(テーハミング)」コールや、打席に立つイチロー選手に向けてのブーイング等・・・スポーツは、相手を尊重して始めて成り立つ物である事を、もう少し理解してくれたらと思う。
注2:僕は、別に打てなくても、世界を代表する選手が1番にいる事の意味が大きいと思っていた。
何より彼は、守備面で大きな貢献をしている選手の1人だ。
でも、最後の最後・・・決勝戦の延長10回表、試合にケリをつけたタイムリーを放つ所は、やはり彼しか出来ないよなぁと、溜息が出た。
(厳しい球をことごとくカットし、甘い球をセンター前へ・・・基本だけれど、この場面で出来る凄みを感じた)
注3:「ん?」と感じた原監督の采配・・・日本選手権(シリーズ)や第1ラウンドで見せた用兵の固さは・拘りは、今大会の最後まで見られた。
ただ、以前に書いたように、左打者が多い日本打線に対し、韓国チームは左投手をぶつけてきていた・・・その為、最後まで調子の悪かった左打者・福留選手を下げ、代わりに6番に「左ピッチャー専用」内川選手が座り、調子が良かった右打者・城島選手が4番に繰り上がった(4番だった村田選手は、ケガの為、既に帰国)事は、その固さがもたらした(良い)起用だったと思う。(笑)
(内川選手は3安打と大活躍したけれど、それより5回裏に見せた守備は、個人的にMVP級だったと思う・・・こんな守備が良い選手だと知らなかった 笑)
もっとも、本人も自覚していたのか決勝戦後、「もっと上手い監督さんなら、もっとたくさんの点を取ってあげられた」と語っていた。(笑)
でも、実に彼らしい潔いコメントだ・・・きっと彼は(監督では無く)選手の気持ちで、チームの一員として戦っていたのだと思う。
前回大会での王さんとは違う、選手を引っ張る魅力があった・・・結果的に見て、日本代表にふさわしい監督だったと思っている。
注4:日本野球と言うけれど、アメリカから伝わった日本の野球が進化したきっかけも、またアメリカだ。
かつて、メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースによって生み出された「ドジャース戦法」が、V9時代(古い!!)の読売ジャイアンツに持ち込まれ、それが独自の進化を遂げてきた姿・・・それが「スモール・ベースボール」と呼ばれる現在の日本野球を代表する戦術だ。
決勝ラウンドが行われたドジャー・スタジアムは、名前から分かる(笑)通り、そのロサンゼルス・ドジャースの本拠地・・・日本野球の聖地とも言える場所での優勝は、また意義深い物があると思う。
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