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2009.10.31

そりゃ壊れるよ

この間、何気なく報道ステーションを見ていたら、護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船「カリナスター」が、関門海峡で衝突した事故のニュースに関して、コメンテーター(解説員?)が、「護衛艦があんなに簡単に壊れてしまうなんて、驚いて・・・」と言う(類の)話をしていた。

映像で見ると、確かに艦首部分が大きく破損してるなぁ・・・って、ちょっと待てよ。
軍艦なのに何故あんなに壊れたのって意味で言っているの?

あの・・・。

1.現在の(世界のこのクラスの)主力水上艦は、ほとんど装甲板を持っていない。
・装甲板がたくさん張られている軍艦なんて、戦艦や空母とかの大型艦(但し戦艦は、現役では存在していない)くらいな物だろう。
しかも大型艦であっても、装甲板は船体の重要区画(指揮司令室や弾薬庫等、被弾したら困る所)しか張られる事は無い。
(この護衛艦は駆逐艦クラスだから、最低限の場所しか張ってないだろうし・・・)

2.あれだけの大質量の物同士がぶつかれば、壊れ無いのがおかしい。
・排水量7000トン前後の船同士が、ほぼ直角に衝突(カリナスターの横から、くらまの艦首が当たっている)している訳で、個人的には、これくらいで済んで良かったと思っているくらいだ。
昔の軍艦だったら、相手の船にぶつけて沈める為に、衝角(しょうかく:ラム)が付いていたけれど・・・先のコメンテーターは、コンテナ船を沈めて欲しかったのだろうか?

3:壊れる=弱い訳では無い
・装甲板(直接的防御)をほとんど持っていないとしても、間接的防御がある訳で・・・攻撃を受けて壊れたとしても、軍艦ならば(普通の船以上に)簡単に沈まない(&戦闘を維持出来る)工夫が凝らされている。
(現に、あれだけ破損した後でも、ちゃんと自力航行してた訳で)

別に知ったかぶりをするつもりも無いけれど、コメンテーターだったら、もうちょっと気の利いたコメントをして欲しい。
それでお金もらってるんでしょ?
(結局、何が言いたかったのか、良く分からなかったし・・・知らなかったってアピール?苦笑)

自衛隊の装備は税金で賄われている訳で、その金額=防衛費は、世界でもトップクラスだ。
この事件の本質をニュースで伝えるのは勿論だけれど、自衛隊の装備を正確に知る事、それを伝えるのも、ジャーナリズムでは無いかと思う。
税金が正しく使われているのかを知る事は、国民にとって重要な話であるはずだ・・・他の問題と何も変わらないと思う。


追記:余談だけれど、これを書いていて、軍事評論家の江畑謙介さんが、先日亡くなったのを思い出した。
僕が東京に出てきた頃・・・とあるゲーム(軍事絡み)の設定に関わって、氏の著書には本当にお世話になった。
今回の事を(気付いて)書けたのも、その時に勉強させてもらっていたからだ。
この場を借りて、御礼申し上げます。合掌。

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