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2016.08.09

ハードル

天皇陛下が、ビデオメッセージで「お気持ち」を発表された。
東日本大震災以来、2度目の事だから、見ていた人も多かったのでは無いかな、と思う。
(見てない人は、こちらから

僕なんかが語る事は、恐れ多い事ではあるけれど・・・やれブラック企業がどうとか言っても、この職責には絶対に敵わない。
日本で唯一、1人だけの「天皇」という役割を、1年365日、休まずに続けなければならない・・・今の所、死ぬまで。
(僕が高校生の時から続けてるって話だもんね)

実は、(もし、聞く事が出来るなら)個人的に一番聞いてみたい事でもあった・・・象徴天皇としての務め・立ち居振る舞いを見ていて、ネガティブな部分を全く感じた事が無かったからだ。

「天皇の位についてから、ほぼ二十八年、この間私は、我が国における多くの喜びの時、また悲しみの時を、人々と共に過ごして来ました。
私はこれまで天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。」

なるほどなぁ・・・全て理解出来た。
いや、正確には僕には理解出来ない領域だ。
日本に起こる全てを、自らの務めとして受け入れる・・・この考えを体現するのは、凡人には不可能だ。
いつも深い慈愛を感じるのは、これあっての事か・・・素直に凄いなぁと思う。
(考えたら、世界最古の血統を持つ法皇だもんね)

但し、だからと言って、お気持ちに沿う事が出来るかと言うと・・・これが非常に難しい。
歴史的に言えば、天皇の譲位は行われていた・・・それはみんな日本史で習っていた通り(笑)だけれど、明治以降、大日本帝国憲法(旧皇室典範)→日本国憲法(皇室典範)と、天皇の譲位は認められていない。
言ってみれば、歴史の反省(天皇を政争の具にしない)から生まれている決まりだと思うけれど、逆に憲法の改正が必要になってしまうからだ。
(憲法9条ですら、これだけ揉める訳だからね・・・)

また、今の憲法上では、天皇は国政に関する権能を有しないので、この発言に沿って憲法改正議論になると、それ自体が憲法に抵触する恐れすらある。
(このメッセージが、国政に対する働きかけだと取る事が出来るからだ)

おっしゃった中身は、それらに最大限配慮した文章である事が分かる。
「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思います」と最初に断ったのは、この為だけれど、これでもグレーゾーンぎりぎりだ。

でも、個人的には、やはり何とか願いを叶えてあげたいなぁと思う。

「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。
更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ二ヶ月にわたって続き、その後喪儀(そうぎ)に関連する行事が、一年間続きます。
その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。
こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。」

これだけ日本の為に尽くしてきて、尚自分が死ぬ事で、国民が付き合う必要は無いって言ってるんだから・・・逆に、この「気持ち」に応える事は、日本国民の心意気だろうと思う。

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