氏より育ち
ちょっと古いニュースになるのだけれど・・・、
・日本ハム・栗山監督 斎藤の再生について「もう少し時間をください」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161115-00000028-tospoweb-base
ドラフト1位の選手だからという事情は、勿論あるんだろうけど・・・大卒という事で、ある程度の即戦力が求められる投手が、6年間結果が出ていない(しかも、年々成績が落ちている)現状は、正直崖っぷちと言っても良いレベルだと思う。
でも・・・この、
「育っていない斎藤投手を、いかに育てるか?」
は、テーマとして、とても面白いと思う。
監督という立場である以上、戦力の全てを使って戦うのは当然で・・・結果が出ていなくても、結果を出すように考えるのが仕事だからだ。
(僕も畑は違うけれど、同様の職種ではあるので、理解・共感出来る)
栗山監督の言う所の「時間を与える」とは、記事にもある通り、一軍で数を投げさせる事だとは思うのだけれど、僕も基本的に似たような事を考えていた。
彼の基本的なピッチングスタイルとしては、技巧派に属すると思う・・・と言うか、そうならざるを得ない。
誤解を恐れずに書けば、これといった球種がある投手では無いからだ。
栗山監督の
「斎藤よりもスピードがあるピッチャーはたくさんいる」
も、同じ意味だろう。
技巧派は、打者との駆け引きで抑えるのが全てなので、いわゆる「試合勘」が重要になる。
当然だけれど、これは試合に出る事によって、培われ&磨かれる部分で・・・更に言えば、1軍の試合(=実戦の中)でしか、感覚として得る事が出来ない。
なので、
「先発投手の6番目として、勝ち負け関係無く、1年間投げさせる」
くらい思い切った配置を行わなければ、ある程度の結果を残す事は出来ないと考えていた次第だ。
でも、それが悠長に出来る程、ファイターズ投手陣の層は薄くないし、そうで無ければ、ペナントレースを勝ち抜ける訳が無い。
その意味で、入団して間もない時期ならともかく、今では無理矢理使う訳にもいかないだろう。
(贔屓と見られてしまえば、逆にチームのムードが悪くなるだろうし)
何よりも・・・それより大きな(難しい)問題だと思っている事がある。
彼の性格だ。
あくまでも個人的な印象だけれど、彼はポジションを勝ち取るタイプでは無く、与えられたポジションで力を発揮していくタイプ・・・栗山監督の言葉を借りれば、彼は「絶対に何とかしないといけないと感じた」経験その物が少ないのでは無いかな、と考えているからだ。
例えば、同じチームの他人を押しのけていこうとか・・・彼は経験的に、選ばれる事はあっても、勝ち取った=競争の経験が少なかったのでは無いかなと感じている。
道を切り開いて進むタイプでは無く、決められた道を上手く走るタイプ・・・一軍で数を投げさせるという意味は、ここにもある。
その意味で言えば、(悪い意味では無く)あくまでもタイプの話なのだけれど・・・こういった人間は、メインストリームを外れた際に復帰するのが難しい。
栗山監督は、
「本人も絶対に何とかしないといけないと感じているので」
と(本人が語った事として)書いているけれど、僕はこの言葉を信じていない。
何とかしないといけない事を感じていても、先に書いた経験の少なさから、具体的にどうすれば良いかが見えていないのでは?と思うからだ。
本人が変わろうと心の底から思えなければ、まず変わらない部分で・・・そこを上手く指導出来るかと言えば、これが難しい。
キツい言い方をすれば、お坊ちゃん体質と言えなくも無い(苦笑)けれど・・・実際そういった人は少なく無い。
と言うより、能動的に何かを変えていく事は、本来とても難しい訳で、そんな人間をいかに扱っていくか・・・同じ悩みを持つ人にとっては、大いに参考になると思う。
斎藤投手と言えば・・・やはりマー君を引き合いに出さなければいけないだろう。
彼を初めてTVで見た時、プロ向きの性格だなぁと感じた印象は、現在の活躍で裏付けられた・・・と言うか、それを遙かに超えた選手になっている。
斎藤投手が、今の立ち位置に甘んじているのを良しとしているのか・・・良しとしているのであれば、恐らく彼はここで終わってしまうと思う。
今、活躍出来ていないという事は、やり方が間違っている訳で、(自分を否定して)やり方を変える必要があるし、それによって周りを認めさせて、自分好みの環境を作っていく・・・でも、それは自分の気持ち次第という事になると思う。
・・・ベースボールマガジン社の社長から、ポルシェもらってる場合じゃないでしょ?(笑)
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